【ペット供養】
供養とは、共に養う、ということ。
先日のこと、由布院のお施主様のお宅へ、愛猫のご供養に行って参りました。
お施主様は90歳を超えた老夫婦。愛猫を亡くされて5年。毎年お命日とお彼岸にはご供養を続けておられます。昨年までは、娘さんや息子さんがお連れくださっていましたが、ご高齢のため歩行困難が進み、今年は自宅での供養をお願いしたいとのご相談でした。動物も私たち人間も同じ命。そう考えるなら人間のご供養と同じく寄り添わせて頂くことが私どもの勤めです。
納骨堂に納められているお位牌をお持ちしてご自宅のお庭の見える一室でお経をお唱えさせていただきました。
お経をお唱え始めると直ぐに、奥様のすすり泣くお声が聞こえて参りました。
ご主人様は96歳、奥様は93歳。奥様から、愛猫との出会いの時のお話などをお聴きする中で、「私には3人子供がいますが、ミユもその子たちと同じく私の大事な子供なんです。」と少し微笑みながらお話くださいました。その心は慈母の愛そのもの。動物ペットは何も言葉を発しませんが、静かにお飼い主さまの心の中で生き続けておられます。
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日本の法律では、動物たちの命は物扱いです。しかる場所に連絡をすれば廃棄物として引き取り処分をしてくれます。しかしそのような扱いはして欲しくない、この子たちは自分たちの大切な家族だった、命だったという、ペットを愛おしむみなさまの心が、お寺でのペット供養へと繋がっています。みなさまの大事な可愛いあの子たちは精一杯に生きました。私たちに真っ直ぐな生き様、死に様をみせ、教えてくれました。喜びと命の在り方教えてくれたペットたちに感謝を贈る場として、お葬儀から火葬、ご供養を通して、お役にたてるよう寄り添わせて頂いております。合掌